そら組たんけん隊 〜kくんの帽子を救え!〜

その事件は、突然起きた。

 

そら組たんけん隊Kくんの帽子が

橋の下にポトン…と静かに落ちてしまったのだ。

 

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落ちたのは、新しく消防車アップリケを付けてもらった世界に1つの大好きな帽子。

 

「とれない…どうしよう…」

眉をひそめ、じっと、帽子を見つめるKくんのもとに救世主が現れる。

 

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「ぼくに任せて!」「あたしも!」

そう言ってどこかへ走っていくSくんとHちゃん。

 

その後ろ姿を不安そうな表情で見つめる、そら組たんけん隊。

 

 

息を切らして戻ってきた2人の手には1メートルくらいの木の枝が握られていた。

 

「これで帽子をお魚釣りするの!」

 

「あ!帽子のここ(ゴム)を取ったらいい!」

 

 

Kくんの帽子を救出しようと、隊員同士ひらめきを出し合う。

 

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「がんばれー!」と声を大にして応援する隊員。

 

息をひそめ、緊張した表情で見守る隊員。

 

拾ってきたヤマモモを食べながら、チラチラと現場を確認している隊員。

 

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1人ではきっと立ち向かえない事件に、そら組たんけん隊みんなで立ち向かっていた。

 

5分…いや20分くらい経っただろうか。

 

Hちゃんが持っていた枝の先が、見事、帽子のゴムに引っ掛かった。

 

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救出した帽子を、無言でKくんに手渡すHちゃん。

 

 

静かな時間が隊員たちを包み込んでいた。

 

 

ずっとずっと眉をひそめて見ていた、Kくんの顔がふわっと力が抜けた。

 

 

「取れたよ」「ありがとう」「すごいね」

 

そんなセリフはここでは必要ない。

 

隊員みんなが同じ気持ちをぎゅっと抱きしめているから。

 

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大人が手を貸せば、一瞬で解決すること。

 

でも、その日は、誰も大人に助けを求めようとはしなかった。

 

きっと、子どもの世界に大人はいなかった。

 

 

 

大人は、子どもの力を信じて見守った、のではない。

 

子どもの力を見せつけられたのだ。